ビブリオ・ファンタジア
出 版 社: 偕成社 著 者: 斉藤洋 発 行 年: 2016年07月 |
< アリスのうさぎ 紹介と感想 >
大学卒業目前に病気が見つかり、きつい仕事に就くことができなくなったため、建設会社への就職を辞退した主人公が始めたアルバイトは、市立図書館の児童読書相談コーナーでの相談係。でも彼に寄せられる相談は一風変わったものばかりでした。本にまつわる不思議な話をしていく高校生や小学生たち。この不思議な話が、どれも腑に落ちないのだけれど、話をした当人たちはすっきりして図書館を去っていきます。図書館にいる「聞き手の青年」が、なぜか不思議な話を吸い寄せるようだけれど、それにもちゃんとした説明がないという、なんだか不思議な話です。図書館という空間で行われる秘密の打ち明け話、というあたりに趣のある一冊です。