トキメキ図書館

二人のそらとわたし

出 版 社: 講談社

著     者: 服部千春

発 行 年: 2012年06月


トキメキ図書館  紹介と感想 >
小学五年生の萌が転校した先の朝日小学校には、素敵な図書館がありました。二階建ての白い木造の古い洋館。天井までぎっしり本が詰まっていて、ハシゴで登らないといけないところだって魅力的です。そして、図書館には優しい司書教諭の、ひとみ先生もいました。本好きの萌はさっそく図書委員に立候補します。萌が引っ越した新しい家で飼い始めた犬のソラと同じ名前の、気になる同級生、宙君との出会があったり、クラスの子たちと交流を深めていく紹介編という感じの第一巻です。宙君の家庭の事情を知って、胸を痛め、それゆえに宙君に気持ちを寄せていく萌。新しい学校生活の中で、ささやかに悩んだり、頑張ったり、嬉しかったりする、萌の豊かな心の機微がはじけている楽しい物語です。一巻目はそんな感じで図書館がそれほどキーにはなりませんが、二巻目は「図書館登校」の子が登場したりと、次第に世界は広がっていきます。2012年に始まったこの作品も現在(2018年)、十五巻という長期シリーズとなっています。二巻目以降は、巻末に「トキメキ図書館だより」という図書館新聞が掲載されていて、ひとみ先生や図書委員会からのオススメ本が紹介されているのも楽しいところです。