友情をこめて、ハンナより

Love from Your Friend, Hannha.

出 版 社: くもん出版

著     者: ミンディ・ウォーショウ・スコルスキー

翻 訳 者: 唐沢則幸

発 行 年: 1999年04月


友情をこめて、ハンナより  紹介と感想 >
1937年。ニューヨークに住む女の子、ハンナの悩みは親友のアギーが引っ越してしまったことと、ペンフレンドがいないこと。親友のアギーには手紙を何度も書いて送っているけれど、いっこうに返信が送られてきません。女の子の文通相手が欲しいハンナなのに、先生が持ってきてくれた文通希望者の箱から引いた相手はカンザスに住む男の子。それでも手紙を書いたハンナに、その男の子、エドワードからきた返信は、たったの二行だけ。親友からは手紙がこないし、良い文通相手は見つからない。そこでハンナは、ルーズベルト大統領に手紙を書いて、この窮状を訴えます。ハンナは大統領のラジオ「炉べりばなし」をいつも聞いていて、親しみを持っていたのです。すると、親友のアギーからは返信がこないのに大統領からは手紙が送られてきて…。ともかく、手紙をたくさん書き綴るハンナが、大統領どころか、大統領夫人や、大統領秘書とも文通を繰り広げる、楽しいお話です。最初は、手紙を書くのが苦手だったカンザスの農村の少年エドワードとも、やがて長い手紙を書き合い、友情を育てていくようになちます。ハンナだけではなく、関わる多くの人たちの書簡によって構成されている物語。フィクションですが、現実の人物が登場したり、当時の社会情勢が浮き彫りになってくるあたりも興味深いところです。そしてハンナの手紙は、いつも「友情をこめて」書かれています。明るいエネルギーに満ちた作品です。たわいもないエピソードばかりなんだけれど、なんだか読み返してしまうレピート本です。