エドウィナからの手紙

Edwina victorious.

出 版 社: 金の星社

著     者: スーザン・ボナーズ

翻 訳 者: もきかずこ

発 行 年: 2003年07月


エドウィナからの手紙  紹介と感想 >
老人ホームに入ることになった大大おばさんの家を片付けていたエドウィナは、おばさんが若い頃に書いていた手紙(タイプライターのカーボンコピー) を沢山見つけ出します。それは歴代の市長に宛てた陳情の手紙でした。おばさんは市政を良くしようと、公共施設の設備の修理や図書館の予算などを事細かく提案をしていたのです。これに触発されたエドウィナは、自分の身の回りに起きた問題点をタイプで手紙に書き、市長に送ってみることにしました。とはいえ、子どもである自分が書いた文章では相手にされないと思い、おばさんの言い回しをマネして、同じ名前であるおばさんのフリをすることにしたのです。果たして、資産家であるおばさんの名前の影響力は大きく、市長はどんどんとエドウィナの提案を実現していきます。嬉しい反面、おばさんの名前を偽っていることに罪悪感を覚えるエドウィナは・・・。ということで、子どもの手紙が市政を動かす痛快な話ではあるのですが、人気とりと資産家からの支援を取りつけたいという市長の野心を逆手にとっているあたり、なんとなく腑に落ちないところもある作品です。政治家との距離感など、国情の違いみたいなものもあるのでしょうか。