ふたり

出 版 社: 講談社

著     者: 福田隆浩

発 行 年: 2013年09月


ふたり  紹介と感想 >
小学六年生の准一は、転校生の佳純が同級生からのいじめにあっていることを見かねて助けようとしたことがきっかけで、お互いに同じ作家のファンであることを知ります。二人が好きなミステリー作家の月森和は覆面作家で、実は、もうひとつ別のペンネームで作品を書いているという噂がありました。同級生たちに知られないように、二人は図書館に通い、月森和の作品から、もうひとつの名前を調べようとします。図書館という場所で、本を通じてふたりが心を通わせていく様子が、なんとも面映ゆいところです。作者の福田隆浩さんの作品では、図書館や図書室が良く登場して、そこでの出会いが物語のキーになっていきます。この作品は、ある意味、読書好きの少年少女が夢想するような出会いや関係性が現実になっていくような話であって、こういうロマンを想起させるところも図書館という場所の魅力の一部かなと思うところです。